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計算の達人
ご承知の通り、公立高校の数学入試における「計算・小問」の配点は少ない県でも20%,多い県では45%にも達します。そのため、数学全般が苦手な生徒の場合は、まずこの小問で満点をとり、他の問題でそれにいかに上積みするかがポイントになります。また、数学で高得点をねらう生徒の場合は、この小問をいかに素早く解き、かつ満点をとるかが勝負になります。
そしてその対策としては、既習の全範囲からアトランダムに選んだ問題を繰り返しさせることが有効です。当書は、このように重要な「計算・小問」対策に絞った問題集です。
また、「箱ひげ図」などの問題も加えた改訂新版となります。
1.出題は全範囲からアトランダムに!単元別ではありません。
単元別の「計算・小問」の問題集では生徒に解法のヒントを与えてしまうことになり、入試対策としては役立ちません。
当書は生徒たちの問題識別能力を高めるため、入試の小問集合問題と同形式をとっています。この方法こそが、生徒の頭をフル回転させ、実戦力を身につけさせる唯一のものです。
2.出題はすべて入試問題から良問を厳選!
出題のすべてが入試問題です。そのため、毎回のテストでの生徒のヤル気と集中力が持続します。また良問を選んで編集していますので、生徒の実力が着実にアップします。
3.難易度は段階的にレベルアップ!生徒の学力の伸びに合わせた問題配列です。
一般的に、中3生の数学の力は中3春と入試直前では大きく異なります。当書は回を追うごとに問題のレベルを少しずつ上げていますので、生徒は最後まで気を抜くことなく問題に取り組めます。その結果、知らず知らずのうちに学力を向上させることができます。
4.出題範囲は学習内容と使用時期を配慮!中3春から継続的に利用できます。
出題範囲は教科書の配列や学習進度に従って、授業カリキュラムを自由に設定できます。
1.当書の構成
当書は全60回,計300問の入試問題と巻末のファイナルテスト20問に大別されます。各テストは10回分をひとまとまりとしていますが、次のようにも分類されます。
範囲 内容・指導時期
第1〜30回 中2までの全範囲と中3の計算分野(基本問題)。夏期講習終了時期に使用。
第31〜50回 中2までの全範囲と中3の関数・図形(基本問題)。冬期講習終了時期に使用。
第51〜60回 中学全範囲から標準問題(偏差値60を超えないと解答が困難な問題も含む)。
2.通年用補助教材として利用し、数学の授業に組み込む
(1)使い方
この場合には「週1〜2日,各2〜3ページずつ進む」という使い方が考えられます。その際の授業の方法は次の3つです。
@授業中に当書にトライする時間をつくり、その後、解答・解説をする。
A当書を宿題として与え、授業では解答・解説のみ行う。
B授業終了5分前位に当書にトライさせ、できた生徒から持ってこさせ、講師がマルつけをする。ミス直しも終わり完答した生徒から帰宅させる。
(2)指導プラン
夏期セミナー期間を除き、冬期セミナー前に全60回を完了させる。この場合のプランは下記の通り。
4月… 第1回〜 第8回(計8ページ) 5月… 第9回〜第16回(計8ページ)
6月…第17回〜第24回(計8ページ) 7月…第25回〜第30回(計6ページ)
9月…第31回〜第38回(計8ページ) 10月…第39回〜第46回(計8ページ)
11月…第47回〜第54回(計8ページ) 12月…第55回〜第60回(計6ページ)
3.夏期セミナーから利用する
この場合には次のような使い方が考えられます。
@夏期セミナーで第1回〜第30回までを完了させる。
その後、冬期セミナーまでの通常授業で第31回〜第60回を完了させる。
A夏期セミナーは@と同様とし、残りは冬期セミナーで一気に完了させる。
4.秋・冬の土・日セミナーで利用する
この場合には次のような指導プランが考えられます。なお月を追うごとに一授業当たりのページ数が少なくなっているのは、問題レベルの考慮によるものです。
月 授業回数 指導範囲 一授業当たりのページ数
9月 4 第1回〜第20回 5ページ
10月 4 第21回〜第36回 4ページ
11月 4 第37回〜第48回 3ページ
12月 2 第49回〜第52回 2ページ
1月 3 第53回〜第58回 2ページ
2月 1 第59回 ・ 第60回 2ページ
5.冬期セミナーから利用する
この場合には次のような使い方が考えられます。
@中・上位クラス
一授業当たり6ページのペースで進み、10日間のセミナーで終了させる。
A中・下位クラス
1)冬期セミナーについては一授業当たり4ページのペースで進み、第40回までを10日間のセミナーで終了させる。
2)残り20ページ分は3学期の通常授業で完了させる。
6.集中特訓で利用する
(1)夏期合宿と正月特訓での利用
@夏期合宿…第1回〜第30回(30ページ)を完了させる。
A正月特訓…第31回〜第60回(30ページ)を完了させる。
(2)入試直前特訓での利用
ミス直しも含め、60回分すべてをやりとげた生徒から順に終了するなどの特訓も企画できます。
奈良,N学園様
中3生の授業の最初に「第5回」を早速使ってみました。生徒には「奈良の入試では大問5問のうち1問目はこのような小問集合だから、まずこれを完答して点をかせがないといけないよ。」と話し、「用意ドン」で5分の時間制限をもうけてやらせました。結果は平均60点というところで「もうやり方を忘れてしまった。」という感想が多くでました。
1問目の「x/2 −x/3を計算しなさい。」という問題では、全体を6倍してしまって〈答え〉をxとする生徒がかなりいました。このようなことから、これが発売されたら毎回の授業ごとに実施し、入試直前に全部をもう一度やらせようかと考えています。特に成績下位者にはこの対策はぜひ必要ですね。
大阪,K進学会様
当塾では授業の最後に「お別れテスト」という小テストをして、完答した生徒から順に帰しています。この「計算の達人」はそのような当塾の方式にドンピシャリの教材です。実施してみてわかったのですが、偏差値60くらいの子でも中1・2で習った分野の単元の解き方や基本事項を忘れてしまっていますね。日頃の定期テストでは、範囲が限られているためパターン学習でも通用しますが、入試で確実に点を取るには、このようなトレーニングが必要ですね。
ところで、「第8回」(1)が「3a+b/2 −a+2b/3 を計算しなさい」という問題で、(2)は「5x−6/3=x+3/2 」を解きなさい。」になっていますね。ただ機械的に問題を並べた問題集と違い、あえてこのような配列を考えているところが都麦さんらしくてニクイですね。
私はゴルフが趣味なんですが、何でもないように見えても、実は見えない落とし穴があり、プレーヤーを悩ましたり楽しませたりするコースがあります。この本の著書はそのようなコースの設計者と相通じるようなセンスを持っているなと感じました。発売されたら早速購入し、私も生徒達と各5ホール,60ラウンドのプレーを楽しみたいと思っています。