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2010年度 理科入試問題傾向分析

2010年05月03日

すでにご存知の先生方も多いと思いますが、
本年度の入試より新指導要領の移行措置に関する
問題の出題が可能になりました。

そこで、都麦出版編集部は早速全都道府県より入試問題を入手し、
理科の出題傾向について分析いたしましたので
ここに掲載いたします。

今後のご指導の一助となれれば幸いです。


理科2010年度入試問題速報
移行措置内容に関する出題傾向の分析

●遺伝

遺伝に関する問題は、約3割の都道府県で出題されていました。
主に、遺伝の規則性に関する問題が中心となっています。遺伝によって
親から子に受け継がれる形質には規則性があるということを理解しているか
確かめる問題が出題されていました。また、「優性形質」や「DNA」といった
用語を記述させる問題も見受けられました。単に遺伝のルールを理解する
だけでは解けない問題があったのが特徴です。指導の上では、用語を
ただ暗記させるだけではなく、その根本的な意味を理解させる必要が
これからはあるように感じました。応用的な問題としては、子の形質を持つ
ものと、孫の形質を持つものを交配させた場合にできる種子について
考えさせる問題が青森県にて出題されていました。

●化学変化とイオン

約半数の都道府県にて出題されていました。
現行の移行措置に関する問題(水溶液の電気分解と電極での変化、及び化学電池)
として1つの大問扱いになっている県が多数ありました。また、移行措置内容だけ
でなく、現行の学習指導内容と関連付けた問題が多かったのが特徴です。
水溶液中の電極で起こる変化については、「なぜ気体が発生するのか」「なぜ
物質が付着するのか」を説明できるだけの理解力が必要とされているようです。
それと同時に、水溶液の化学反応式(滋賀・千葉・山梨など)や
イオンの電離式(長崎・福井・静岡など)、発生した気体の性質に関する問題(山口)
もよく出題されていました。その他、電極として使用した銅板と亜鉛板のどちらが
溶けるか(青森・富山・高知など)といった、「イオン化傾向」に関する問題も
出題されており、総合的な「イオン」及び「化学」に関する総合的な問題として、
取り扱っている都道府県が多いのが特徴でした。

●仕事とエネルギー

約2割の都道府県にて出題が確認されました。
主に、仕事量の計算(ジュール)が出題されています。問題のレベルとしては
さほど難しくなく、基本的な仕事の公式を暗記していれば解答できるものが
目立ちました。仕事量の計算だけで出題されることは少なく、動滑車を
使った実験に関する問題と関連したものが多かったです。また、「位置エネルギー」
や「運動エネルギー」といった用語を解答させる問題もよく出題されています。
単純に計算ができるだけではなく、用語もきっちり覚えておくことが
この単元の得点につながることでしょう。

●月の運動と見え方

約4割の都道府県にて出題されていました。月以外の星座や金星などを含めた
天体全般になると、半数以上の都道府県にて出題されています。
2009年7月22日に日食が起こったことから、今年は良く出題される傾向に
あったようです。日食と月の動きを関連させた問題が多く見られました。
主に、日食の起こる場合の月の位置を図の中から選びなさいという問題が
ほとんどだったのですが、中には日食時の太陽、月、地球の位置を
記述せよ(静岡)といった問題や、日食の様子を図に表せ(三重)といった
問題も出題されていました。