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夏越の大祓

2018年07月13日  文責:平野

今年は梅雨明けが早く、いよいよ暑い夏がやってきます。その前に「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」で、半年間の厄を落としに行ってきました。これは記紀神話に見られる伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の禊祓(みそぎはらひ)を起源としており、6月30日に多くの神社にて行われる厄除け神事です。

今回私が行ったのは蹴鞠で有名な白峯神宮。時は折しもサッカーワールドカップの真っ最中。境内には日本代表への応援メッセージを書くボードが設置されていたり、横断幕が掲げられていたりと、応援ムード一色でした。

そのような中、鳥居をくぐると正面にこの時期だけ見られる「茅の輪」が設置されていました。この夏越の大祓の儀式ではまず、半紙に包まれた紙製の人形(ひとがた)と清めの紙吹雪をいただき、宮司さんが大祓詞を唱えます。そして包みを開けて、中の人形で身体の良くない所をさすり、息を三回吹きかけます。こうして体に溜まった半年間の穢れを人形に移したら、それを宮司さんが回収してくださり、厳重にしまわれたうえお焚き上げされます。ただ昔はお焚き上げではなく、近くを流れる堀川へ流して清めたそうです。そのあと宮司さんの先導で、みんな一列になり茅の輪をくぐります。これにはやり方があり、輪の中を左回り、右回り、また左回りと八の字に三回通って、穢れを祓うのです。

そして、最後においしい厄払いをもう一つ。京都には「夏越の祓」の日に食べる、伝統的な和菓子があります。「水無月」と呼ばれ、三角形のういろうの上に、邪気を祓う小豆がのったお菓子で、三角形は削りたての氷を表しています。昔、冷房も冷蔵庫もない時代、宮中では冬にできた氷を氷室に貯蔵しておき、そこから切り出した氷を口にして夏を健康に過ごせるよう祈ったそうです。しかし庶民にとって氷は高嶺の花。そこで氷をかたどった三角形の生地に厄除けの小豆を散らしたお菓子が作られたそうです。「水無月」は庶民の氷への憧れから生まれた銘菓なのですね。
https://www.tsumugi.ne.jp/photo/yomoyama/20180713.html