御霊祭
2017年05月19日 文責:平野
初夏の京都ではあちらこちらの神社でお祭りが行われます。今回は京都洛中で最古の祭りと言われる、御霊祭をご紹介したいと思います。
御霊祭は、御霊神社(上御霊神社)で行われます。この神社は交差点を東に入ったどんつき(京都の言葉で「突き当たり」のことです!)にあります。毎年5月17日には宵宮が、18日には本祭が催されます。
両日とも交差点から神社までの参道と境内には露店が立ち並び、多くの参拝客で賑わいます。また、宵宮では威勢の良い奉納太鼓の演奏、翌日の本祭では三基の神輿をはじめ、稚児や八乙女、若武者などの行列が、氏子地域を練り歩きます。この神輿と行列は、東京遷都以前には京都御苑内にも巡行していましたが、東京遷都を期に途絶えていました。しかし2009年、氏子たちの強い願いから140年ぶりに復活しました。
この御霊神社のおこりは、桓武天皇が平安京の守り神として、崇道天皇(早良親王)のご神霊をおまつりされたことによります。当時は各地で天変地異や疫病が流行し、それを悲運の中で亡くなられた高貴の人々の祟りであるとして、その人々のご神霊を丁重におまつりすることによって、災いをなくそうという御霊信仰が生まれました。そのおまつりを御霊会(ごりょうえ)といいます。その時桓武天皇の勅命により、平安京の神泉苑にて行われた御霊会が、この御霊祭の起源であるといわれています。そして、京の夏祭りの多くは御霊会ですが(あの祇園祭も!!)、その全ての御霊会の発祥はこの御霊祭なのです。
また、この御霊神社は、かの有名な応仁の乱勃発の地でもあるそうで、学生の頃日本史の教科書に載っていた出来事が、この場所で実際に起こったと思うと、とても感慨深いものがあります。
(写真はこちら: https://www.tsumugi.ne.jp/photo/yomoyama/170519.html )