スマートフォンに,驚愕と畏怖と
2016年07月08日 文責:川口
会社での連絡用に
スマートフォンを使わせてもらうことになりました。
スマートフォン。
プライベートでも持ったことがない私には,
便利という以前に驚愕の連続です。
すでにお使いの方にとっては,さして驚きでないのかもしれませんが
現在位置を地図で確認できるという
カーナビのような機能が圧巻でした。
地図上に,居場所がポイントで示されるだけでなく,
歩くとそれが連動するという,あれです。
試しに,少し走ってみました。
ポイントも速く動きます。
バスに乗ってみました。
ポイントはいっそう速くついてきます。
新幹線の車内で見てみました。
さすがに速すぎたのでしょうか。
ポイントは新幹線が発車してしばらくで,動きを止めました。
追跡をあきらめたようです。
しかし,途中駅に着いた途端,
ポイントがグイーンと一気に県境を越えて
見事に,停車中の駅を表示しました。
ジョージ・オーウェルの小説「1984年」の
「Big Brother」みたいだと思いました。
ご存知の方も多いかもしれませんが,これは
反体制派には容赦なく逮捕や拷問,粛清を行うような
架空の世界(一党独裁国)での話です。
そこでは,街中のいたるところに
マイクやビデオのようなものが仕掛けられ,
「Big Brother is watching you.(偉大なる兄弟があなたを見守っている)」
というスローガンが張り巡らされ,
個人の行動すべてが,常に監視されています。
この「Big Brother (偉大なる兄弟)」とは
党の指導者なのですが,実は誰も実体を見たことがありません。
国民は夜な夜な,彼が登場するモニターに向かって
忠誠を誓うがごとく叫んだり,敬意を払います。
虚像かもしれないその独裁者に
国民は恐れおののいているわけです。
読んでいて,冷や汗ものだったのを覚えています。
人が主体的に使うスマートフォンではありますが,
見ているつもりが,いつの間にか「見られている」かも…。
そんな感覚を覚える出来事でした。