「達人」の一言に唸る
2014年04月11日 文責:川口
入学式が行われる会場地図のプリントを片手に
窓から見える駅名に目を凝らしている学生などを見ると,
新学期の始まりを実感します。
朝の通勤で利用する地下鉄は,この時期が一年で最も混雑します。
ただでさえ混み合っているのに
両足をデンと開いて1.5人分のスペースを占拠するような人を見ると,
当然,あまりいい気はしません。
先日,新聞を読んでいて
感心したことがあります。
投書欄に書かれていたその記事を
以下に要約します。
ある日,乗った電車の車内に
たくさんのサッカー少年が乗り合わせていた。
彼らは動き回るわ,騒がしいわで
明らかに周りの迷惑になっていた。
大人たちは苦々しい表情を浮かべながらも
黙って見過ごしていた。
そのとき…
近くにいた初老の男性が,子どもたちに話しかけた。
「君たち何かスポーツしているの?」
「うん,サッカー」
「そうか,サッカーか。サッカーにはルールがあるよね?
ルールを守らずみんなが好き勝手なことをしたら,
試合にはならないよね?
それと同じで電車にもルールがある。
いろんな人が乗っている電車のなかでは,
静かにするっていうルールがあるんだ」
それを聞いた少年は少し恥ずかしそうになり
車内もいっきに静まり返った―
そんな内容でした。
投稿された方は,記事内でその男性を「達人」と
呼んでいましたが,弊社の教材風にいうと
「対話の達人」
といったところでしょうか。
叱りつけるでもなく,黙り込むでもなく
対話を通して,子どもらに問題点を気付かせ
そのやり取りだけで解決してしまう。
思わず唸ってしまいました。