時代によるタブー 〔毒か薬か〕
2013年08月28日 文責:川口
先日読んだ小説の中に,
いつの時代でも国家や権力のやることはデタラメだ
という一文を見ました。
なんでも,
「昔のヨーロッパではコーヒーを禁制にして,
違反者をギロチンにかけた」んだとか。
これではいくら首があっても足りないですよね。
現代に生まれて良かったと,しみじみ思いました。
実際に「ギロチン」処刑が行われたのかまでは
わかりませんでしたが,国によっては飲用を固く禁じたり,
女人禁制とされていた史実は残っているようです。
権力の介在ではないものの,似たケースにトマトがあります。
トマトは,言わずと知れた南米・アンデス原産の野菜ですが,
ヨーロッパに渡ってからの1世紀ほどは
観賞用の植物でしかありませんでした。
その光り輝く真っ赤な姿から,毒性のある植物だと誤解され
「悪魔の実」とすら呼ばれていたようです。
特定の飲み物や食べ物を
毒とするか,薬とするかということは,
案外,その時々の時代背景や政略などで容易に変わる
頼りないものなのかもしれません。
そこで,ついでに調べました。酒。
自分にとっての自己弁護の故事,「酒は百薬の長」ですが,
なんと原典は『漢書』。紀元1世紀編纂の書物です。
そんな昔から太鼓判が押されていたのかー,と安心するも
『徒然草』には,
「百薬の長とはいへど,よろづの病はさけよりこそおこれ」
と記されているとか…。
本日,健康診断を受診した現代に生きる我が身としては,
結局はバランスか…と思うしかありませんでした。