父親と仕事場の光景
2013年07月01日 文責:川口
(ああ,うるさいなぁ…)
実家で商売をしている父と一緒に働いていたころ,
よく思ったものです。
母が怪我をしたということもあり,
実に久しぶりに実家で父の仕事を手伝いました。
断裁機で加工される紙製品を個々にゴム留めし
一定の数量で包装していくのがその日の作業。
父親が断裁を,自分がそれ以降の工程を行うのですが,
懐かしさに浸りつつも,作業勘がすぐに戻り
短時間で効率よく進められたことに,我ながら驚きました。
自分はなかなかに不器用な人間なので,
慣れってすごい,と思わずにはいられませんでした。
性格は真面目で朴訥,しかし頑固で心配性な父親とは
距離が近すぎたこともあってか,
話をしながら,幾度となく口論になっていました。
反発しては,よく姉に
「アンタも子どもやなぁ…」
とたしなめられていたものです。
今回も将来的なことなど,父親なりの助言を
(ああ,うるさいなぁ…)と聴いている自分がいて,ふと
あのころと一緒だ!
と,少しおかしくなりました。
お互い,変わらないなと思います。
いつまでたっても,父親にとって自分は頼りない子どもで,
自分にとって父は口うるさい親父,でしかないのでしょう。
そんな親父に遊んでもらっている我が息子を眺めながら,
きっとそのうち,息子から見た自分も
なにかとうるさい親父
ということになるんだろうなぁと思いました。
しかし,いまだにすぐムキになるあたり
(自分も子どもやなぁ…)
と思わずにはいられない,反省の帰路でした。