常識を疑え
2013年04月10日 文責:川口
公務員ランナーとして有名な
川内優輝さんのドキュメンタリー番組を観ました。
彼は12時〜夜9時まで,定時制高校の事務職員として勤務する傍ら
今や世界を相手に闘う,日本マラソン界最強のアスリートでもあります。
高校時分は怪我の連続で,思うような成績が残せず
かなり悶々とした日々を送っていたそうですが,
大学進学を機に,陸上を楽しめる環境に変えようと一念発起。
いまのスタイルの原点は,大学時代にあると語っておられました。
実業団選手の練習や,科学的トレーニング法に基づいた練習に比べると,
彼の練習方法や調整は独特です。
例えば,怪我を恐れて通常はまずしないという
勾配がきつく,足元の悪い山道を駆け上がるメニューを組んだり,
食事は制限せず,好きなものを好きなだけ食べる方針だったり
(テレビでは,山盛りのラーメンをあっという間に平らげていました),
フルマラソンを走って2週間後にはまた別のレースに出たり,と
通常はタブーとされていることを,進んで取り入れています。
怪我に泣かされ不遇だった高校時代があったからこそ,
「自分にとっては」何が良いのか,
を徹底的に吟味して今に至ったのでしょう。
春から新生活を送る方へのメッセージとして,
「常識を疑ってください」
と,いつものハキハキした口調で言っておられました。
与えられたことをただ受け取るのではなく,
前のめりになって自ら探し求めていく。
何度離されてもついていく川内選手のタフネスぶりは,
すべてを「自分で」負ってきたという自信に裏打ちされたものなのだと,
とても納得がいきました。