震災の記憶
2013年03月12日 文責:川口
東日本大震災から2年が経ちました。
報道を見ていると,「風化」への危惧を訴える内容が目立ちました。
自分も,映像を見て受けた当時の衝撃と
2年の歳月を経た今の実感とでは,ギャップを感じざるをえません。
体験として記憶に残っているのは,阪神大震災です。
当時,大学受験の真っ只中にいた私。
九州の大学を受験した帰りの新幹線は途中までで,
動いている区間の在来線に乗り換え,歩き,
代替バスに乗り,また在来線に乗り換え,京都まで戻って来ました。
バス停に辿りつくまでの道程は,冷たい風が吹き付ける夕暮れ時で
線路上や迂回路から見るまちの風景は
黒とオレンジのコントラストだけが,ひと際ハッキリしていました。
甚大な被害を受けられた方々からすると
些細な出来事かもしれないですが,
皆,無言で列を成して歩いたその光景,感覚が
私にとって震災の断片であることには変わりありません。
百聞は一見に如かず
と言いますが,「一見」という個人的なものを
どう人に伝えるのか,また,どう受け止めればよいのか。
簡単ではないことを,報道を通して改めて感じました。