「どくとるマンボウ」
2011年10月31日 文責:石井
作家の北杜夫さんが亡くなりました。
私は別に愛読者でも何でもないのですが、出張の多いこの時期に、はるか昔に読んだ「どくとるマンボウ航海記」を引っ張り出して再読していたところ、まさにそのページをめくっている瞬間に、訃報に接しました。
そういう偶然はこれまでも時々あって、例えばジョン・コルトレーンの「マイ・フェイバリット・シングス」という曲を聴きながら小説を読んだら、曲が流れてきた途端に小説の中で、その曲の解説が長々と展開され、唖然としたことがあります。
何事もなければ特別記憶に残らないようなことも、一つのタイミングの違いで生涯自分の中に刻み込まれることがあります。
これは、『どくとるマンボウを刻み込んでおけ』という何かの計らいなのでしょうか。
ともあれ、ご冥福をお祈りいたします。