験(げん)を担ぐ
2011年03月30日 文責:巽
皆さんは、験を担ぐということをされるでしょうか。
小学校を卒業して、中学生になる時のことです。
親と入学前に必要なものを買いに行きました。
私が通っていた小学校では、シャーペンの使用は禁止されていました。
当然、学校で禁止されているものを親も買ってはくれません。
ですので、シャーペンに対して強い憧れのような感情を抱いていました。
「中学校では絶対シャーペンを使おう。
そして、初めて買うものは、思い出に残るような1本にしたい」
そう考えていた私は、親に「一生大切にするから」と言って
1000円もするシャーペンを買ってもらいました。
それまで鉛筆しか持っていなかった自分にとって、
黒のボディに金色の縁取りが施されたシャーペンはとても魅力的なものでした。
それを持っているだけで、自分が少し大人になったような気になりました。
中学入学後は、テストのときはいつもそのシャーペンを使っていました。
根拠は無いのですが、それを使うと、いい点が取れそうな気がしていたからです。
そうして中学の3年間は、ずっとそのシャーペンを使い続けました。
高校入試の当日も、私の相棒として連れて行きました。
時がたち、高校生、大学生となってからも
テストの時はそのシャーペンを使っていました。
特に理由はありませんが、中学からの験担ぎです。
もちろん、今でも机の中にはそのシャーペンが入っています。
大事な時にはいつも側にいてくれる強い味方です。