スタッフブログ!つむぎ内・外よもやま話

平安神宮神苑の桜

2020年04月05日  文責:平野

まだまだ花冷えの天気が続いております。皆様におかれましては、新型コロナウィルスの影響で、ご苦労されていることと存じます。さて、私は先日たまたま車で平安神宮の前を通りました。平安神宮神苑の桜は、かつての文豪達がこぞって作品に取り入れるほど愛した美しさです。まず入口を入ってすぐのところに、たくさんの紅枝垂れ桜が植えられており、思わず感嘆の声が漏れるほどの美しさです。この平安神宮の神苑は、明治時代の代表的な日本庭園で、東・中・西・南の四つの庭からなる、総面積約10,000坪の広大な池泉回遊式庭園で、明治の有名な造園家7代目小川治兵衛らの手によるものだそうです。こちらの桜は染井吉野より紅枝垂れの方が多いのですが、かわいいピンクの花が枝にたわわに咲いて風にゆれる様は、本当に優雅で美しいものです。また、東神苑には池を横断するように橋殿(はしどの)があり、池の真ん中から見る景色は、周囲から見るのとはまた違った風情が楽しめます。神苑は桜だけでなく、夏には杜若や花菖蒲、秋の紅葉、冬は椿や山茶花と、季節ごとに四季折々の花々を楽しむことができるそうです。早く穏やかな日々が戻ることを祈りつつ、桜の美しさにしばし心を癒されたひとときでした。
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千本釈迦堂の阿亀(おかめ)桜

2020年03月25日  文責:平野

ついにこの週末、京都でも桜の開花宣言がありました。いよいよ春到来!最近は世の中がなかなか落ち着かず、気持ちも塞ぎがちではありますが、やはり、桜の花を見ると春の訪れに不思議と胸がわくわくするものですね。そこで今回は早咲きの桜を求めて、千本釈迦堂へ阿亀桜を見に行ってきました。

千本釈迦堂は正式には大報恩寺(だいほうおんじ)と言い、今から800年前の鎌倉初期に創建されました。10年も続いた応仁の乱でも奇跡的に戦火をまぬがれた、京洛最古の建造物として、国宝に指定されています。千本釈迦堂という名の由来は諸説あるそうですが、近くに京の南北を走る千本通があること、ご本尊の釈迦如来座像が古来より厚く信仰されていることなどがあるようです。

また、境内には「おかめ塚」があり、その前には「阿亀桜」という名の立派な枝垂れ桜があります。実はこの「おかめ塚」は、ある女性の悲話が由来とのこと。その女性とは、この大報恩寺の本堂建築で棟梁を努めた大工、「長井飛騨守高次」の妻であった「阿亀」。高次が本堂建築中、重要な柱の採寸を間違えて短く切りすぎてしまい、責任ある棟梁として苦悩していました。その時「枡組(ますぐみ)(という技法)で補ってはどうか」と助言して夫の窮地を救ったのが、妻の阿亀だったのです。この助言により高次は無事、工事を成し遂げることができました。しかし、阿亀は「棟梁ともあろう者が(専門家でもない)女の知恵で大仕事を成し得たと言われては夫の恥」と、上棟式を迎える前に自害してしまったそうです。

なんとも悲しいお話しではありますが、夫想いの明るい人柄を今に伝え、夫婦円満、縁結び、子授けの御利益がある全国のおかめ信仰の発祥となっているそうです。

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大豊(おおとよ)神社の狛(こま)ねずみ

2020年02月28日  文責:平野

今年は記録的な暖冬だそうで、梅の花の開花も平年に比べると2週間ほど早まっているそうです。昨年ご紹介した同志社大学の梅は、日当たりの違いかもしれませんが、木によっては1月中旬ぐらいから咲き始め、すでに散ってしまったものもあり驚いています。さて今回は、哲学の道沿いにある大豊神社をご紹介します。実はこの神社、先月のブログでご紹介したいと思っていたのです。なぜなら、この神社には狛犬ならぬ狛ねずみがいるから。今年はねずみ年ということで、去年の暮れからいろいろなメディアで紹介されていました。そのためか、お正月に行ったら、まるでテーマパークのアトラクションなみに人が並んでいてびっくり。二か月ほど経ってやっと参拝叶いました。この神社は同じ境内の中に本殿だけではなく、様々なお社があり、狛ねずみが鎮座するのも本殿ではなくその奧にある大国社。しかしこの神社にいるのは狛ねずみだけではありません。商売繁盛で有名な稲荷社にはもちろん狛狐、火難除の御利益がある愛宕社には狛鳶(とび)、災難除の御利益がある日吉社には狛猿、また金運惠授の狛蛇と、まさに狛○○のオンパレードなのです。(もちろん狛犬もちゃんといますよ。)大国社は縁結び・学業成就・子授け・安産の御利益があるそうで、右側の狛ねずみは学問を象徴する巻物を、左側の狛ねずみは万物の根源である水玉を大事そうに抱えています。また、本殿の御祭神に菅原道真公がおられるからか、紅白の梅が美しく咲いていました。また、同じ「梅」とつくけれど、梅の仲間ではない蝋梅(ろうばい)も、黄色の花を鮮やかに咲かせていました。帰りは疎水沿いの哲学の道を歩きながら、まだ固い桜のつぼみに春を待ち遠しく思う一日でした。
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善行院の福子(ふくこ)

2020年01月15日  文責:平野

2020年も明け、仕事始めから一週間が経ちました。皆さま今年も都麦出版をよろしくお願い致します。皆さまはこの年末年始どのようにお過ごしでしたでしょうか。今年はねずみ年ということで、私は金色のねずみの像「福子(ふくこ)」が置かれている、善行院(ぜんぎょういん)へ行ってきました。この善行院は、日蓮宗京都十六本山の大本山、妙顕寺の塔頭(たっちゅう)であり、御所の清涼殿に安置されていた妙見菩薩立像が祀られていることから、「西陣の妙見宮」、「西陣の妙見さん」と呼ばれ、地域の人たちから親しまれているそうです。また、京都市内には御所の紫宸殿を中心にして十二支の方角に妙見大菩薩をお祀りする「洛陽十二支妙見」があり、善行院はその一つで子(ね)の方角(北)に位置しています。そのため、この善行院から12ヶ所を巡る「洛陽十二支妙見めぐり」を始める方も多いそうです。お目当ての福子は境内の北側にある妙見堂に置かれており、開運や厄除け祈願に“福子”に触ってお参りされる方もおられました。私も家族の健康を祈りながら、福子をたくさん撫でてきました。
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紅葉の金戒光明寺

2019年11月27日  文責:平野

朝晩はめっきり冷え込む日もあり、いよいよ「晩秋」という言葉がふさわしくなってきました。そろそろ京都市内の紅葉も見頃かと思い、今回は岡 崎にある金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)へ行ってきました。ちょうど秋の特別公開の最中で、普段は上がれない山門にも上がることができ、楼上からは市内を一望することができました。残念ながら写真撮影は禁止されていて、せっかくの眺望を皆さんにご覧いただくことはできなかった のですが、ガイドさんのお話では、空気の澄んだ晴れの日には、大阪あべのハルカスまで見えることもあるそうです。また、山門の天井一面には「蟠龍図」が描かれており、釈迦三尊像と十六羅漢像が安置されています。この金戒光明寺は、浄土宗の開祖である法然上人が、比叡山の修行を終えて初めて庵を結んだ言わば「日本の浄土宗の真のはじまりの場所」という意味のあるお寺だそうです。敷地内にはたくさんのお墓があり、その中
になんと、髪がアフロのような仏様がおわしました。五劫思惟(ごこうしゆい)阿弥陀仏というお名前で、通常の阿弥陀仏と違い、頭髪(螺髪【らほつ】)がかぶさるような非常に大きな髪型が特徴です。五劫という気の遠くなるような長い時の中、もろもろの衆生を救わんと、ひたすら思惟を
こらし修行をされた結果、髪の毛が伸びて渦高く螺髪を積み重ねた頭となられた様子をあらわしたものだそうです。全国でも16体ほどしか見られないお姿ですが、この金戒光明寺の五劫思惟阿弥陀仏は、石で彫刻された石仏で、特に珍しいと言われています。師走の足音がもうすぐそこまで来
ているようなこの季節。せわしない年末を前に、時にはゆっくりと過ぎ行く秋のひと時を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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時代祭

2019年11月05日  文責:平野

京都三大祭りの一つ、時代祭。この時代祭は、平安神宮の創建と平安遷都1100年記念祭を奉祝する行事として、明治28年に始まりました。当時の京都は、明治維新や事実上の東京遷都によって、著しく活気を失っていたそうです。そんな京都の町おこし事業の集大成として平安神宮が創建され、その時の市民の熱い思いを象徴するものとして、この時代祭は始まりました。毎年10月22日に行われていましたが、今年は新しい天皇陛下の即位礼正殿の儀が行われるためそれを考慮し、26日に日にちをずらして行われました。実はこの10月22日という日は、桓武天皇が長岡京から平安京に都を移した、言わば京都のお誕生日とも言える日なのだそうです。そしてこの時代祭の行列は、京都市全域からなる市民組織「平安講社」によって運営されています。京都市内にある旧学校区を11グループに分け(11社)、明治維新時代、江戸時代、安土桃山時代、室町時代、吉野時代、鎌倉時代、藤原時代、延暦時代の各時代を20の行列に分けて1列ずつ担当しているそうです。また、江戸時代婦人列、中世婦人列、平安時代婦人列は京都の五花街が輪番で奉仕するなど、総勢で約2000名もの人々が参加する一大行列となっています。行列の人が身に着ける衣装や祭具の一つ一つは、厳密な時代考証をもとに作製されているそうで、この時代祭の行列はさながら生きた時代絵巻と言えるでしょう。
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常林寺の萩

2019年09月19日  文責:平野

九月に入ってもまだ暑い日が続いていましたが、一雨ごとに季節が進み、この頃ではようやく秋の気配も感じられるようになりました。そろそろ夏の疲れも出てくる頃ではないでしょうか。体調など崩されませんようご自愛下さい。さて、九月といえばそろそろ萩なども美しく咲き始めているかと、「萩の寺」として有名な常林寺へ行ってきました。実はこの常林寺、弊社から徒歩15分ほどの鴨川沿いにあるため、前を通ったことは何度もあるのですが、中に入ったのは今回が初めて。門に一歩足を踏み入れると、そこは一面、萩の花で溢れていました。常林寺は浄土宗のお寺で、創建時は鴨川より西側に建てられていたそうですが、「天明の大火」と呼ばれる大火事により、焼失してしまったそうです。その後現在の場所に移り再建されたそうなのですが、ここは江戸時代に下関や神戸へ向かう勝海舟が常宿としていたのだそうです。教科書の中でしか知らない歴史上の有名人が、今自分がいる場所に実際に存在していたのだと思うと、非常に感慨深く、つくづく京都はすごいところだなぁと感じました。

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京の七夕(堀川かがり火のみち)

2019年08月30日  文責:平野


みなさまお盆休みはいかがお過ごしでしたでしょうか。今回は、すっかり京都の夏の風物詩となりました、「京の七夕」をご紹介します。このイベントは旧暦の七夕にあたる8月上旬に、「祈り」「願い」をテーマに京都各地で開催されています。初めの頃は堀川と鴨川のみの会場でしたが、年々会場が増えていき、10回目となる今年は前述の堀川・鴨川に加え、北野天満宮周辺の北野紙屋川エリア、鉄道博物館や水族館もある梅小路エリア、そして今までは京都市内のみでしたが、今年はついに北部の宮津市でも、天橋立の砂浜ライトアップなど5か所の会場で様々なイベントが行われているようです。
さて、私が行った堀川会場では、「堀川かがり火のみち」の題名通り、宵闇にかがり火が美しく燃えていました。また、大学生によるペットボトルで作ったキャンドルや食べ物屋さんの屋台、舞妓さんとの写真撮影など、行く先々でいろいろな催しがあり、涼しげな川のせせらぎを聞きながらお祭り気分を味わうことができました。
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法金剛院の蓮(ハス)

2019年07月25日  文責:平野

今年は梅雨入りがとても遅かったので、梅雨明けもいつになるのかと危惧しておりましたが、極端に長引くこともなく明けてほっとする反面、また今年もあの暑い夏が始まると思うと、げんなりしてしまう今日この頃です。今回はまだ梅雨真只中の、降ったり止んだりの雨間をぬって、法金剛院へ蓮の花を見に行ってきました。法金剛院は奈良の唐招提寺に属する律宗のお寺です。平安時代の初め、右大臣清原夏野が山荘として建て、死後、寺として双丘寺(ならびがおかでら)と称されました。その後、文徳天皇によって大きな伽藍が建てられ、天安寺とされました。そして平安時代の末、鳥羽天皇の中宮であった待賢門院が天安寺を復興し、法金剛院とされたとのことです。極楽浄土を模して造られた庭園は、「池泉廻遊式浄土庭園」で、五位山と呼ばれる内山を背に中央に池が掘られ、その池を埋め尽くすほどに蓮が植えられています。また、庭園内には「青女(せいじょ)の瀧」と呼ばれる巨岩を並べて造られた瀧もあり、これは石立の僧、林賢(りんけん)と静意(じょうい)の作といわれています。平安時代の庭園であって、しかも発願者、作者がはっきりしており、さらにその遺構がそのまま残っているのは大変貴重なことだそうです。また、この法金剛院は、関西花の寺第十三霊場となっており、蓮の花だけでなく、「待賢門院桜」と呼ばれる枝垂れ桜やあじさい、秋には紅葉や萩と、四季折々に美しい花々が楽しめるそうなので、今度は秋にも行ってみたいと思いました。
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蹴鞠神事とあじさい苑

2019年06月21日  文責:平野

六月も後半だというのに、西日本では未だに梅雨入り宣言が出ていません。しかし、雨量は平年より多いとのことで、何やらおかしなお天気です。そんな中今回は、そろそろ紫陽花が見頃かと思い、藤森神社のあじさい苑に行ってきました。藤森神社は創建が平安遷都以前と古く、歴史ある神社だそうです。敷地も大変広く、中座・東座・西座の三か所の本殿に、計十二柱の御祭神が祀られています。毎年5月5日に行われる藤森祭は、「菖蒲の節句発祥の祭」と言われていて、「菖蒲」は「勝負」に通じることから、「勝運を呼ぶ神」として信仰を集めているとのこと。特に、藤森祭に奉納される駈馬(かけうま)神事が馬の神事であることから、馬の神として信仰され、馬主、騎手、競馬ファンの参拝が多いそうです。この日は蹴鞠神事や和太鼓奉納が予定されており、拝殿にはたくさんの和太鼓が設置されていました。また、あいにくの小雨模様の中、烏帽子を被った平安装束の蹴鞠保存会の方々による蹴鞠が披露されると、周りを囲んだギャラリーからは盛大な拍手が沸き起こっていました。あじさい苑は境内に二か所有り、よく見かける種類のものから、初めて見るような珍しい種類のものまで多品種有り、堪能できました。これから本格的な梅雨入りとなり、うっとうしい季節となりますが、あじさいにとっては恵みの雨。美しく咲いたあじさいを見れば、少しは気持ちも晴れることでしょう。
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